【第20号】なんでそらはあおいの?

読者のみなさまは、「教えないスキル」という本をご存知でしょうか。
Jリーグの常務理事を務めている、佐伯夕利子さんという方が書かれた本です。
今、この考え方がにわかに注目を集めています。

たとえば、読者のみなさまが、子どもからこんな質問をされたらどう答えますか?

◆今日の質問
「なんでそらはあおいの?」

◇解説
科学的な答えは、以下の通りとなります。
ーーーーー
空気は透明、太陽光は無色なのに、なぜ空は青く見えるのか?
青い光は「波長」が短く、赤い光は波長が長くなっていて、
波長が短い青い光ほど、強く「散乱」される。
だから、日中は、散乱の強い青が強調されて空は青く見える。
なお、朝夕は、光が大気層を長く通過するので青は散乱されきってしまい、
散乱しにくい赤やオレンジが強調され、空は赤く見える。
ーーーーー

ただ、ここでは正解か不正解かということよりも、
その子どもが「疑問」を持ったことに意味があります。

疑問に対しては、「〇〇だからだよ」とすぐ答えを言ったりせず、
「そんなこといいから早く仕度しなさい」と大人の都合を押し付けず、
「ネットで調べてごらん」などすぐ方法を伝えたりせず、
「なんでだろうね?」など問い返すことによって、子ども自ら考えようとします。

そして、子どもが自分で考えたことを言葉にすることで、
さらに大人が問い返すことができます。
こうしてその子どもの思考がさらに深まります。

こうした「対話」を通じたやりとりには時間がかかります。
ですが、この「アナログなやりとり」は、自ら考える力を育むにはうってつけです。

コロナ禍で家にいる時間が増えましたが、
在宅によって増えた時間は、スマホやテレビ・PCなど画面に向かう時間で、
対話の時間は増えていないように感じます。

また、ネットなどのツールを駆使して「すぐに正解にたどり着く力」は高まったように思います。
一方で、自ら考え「自分なりの答え」を持つことについては、端っこに追いやられているような気がします。

「教えないスキル」とは、
対話の中で、指導者が適切な問いを投げかけ、相手に思考を促し言語化してもらい、
さらにその言葉から、さらなる思考のきっかけを与えるスキルです。

そのプロセスが「気づき」を誘発し、自ら行動を変えるきっかけになります。

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