【第34号】オリンピアンから学んだメンタリティー

東京オリンピックも閉会式を迎えました。
筆者が観察していたのは、選手たちから出た言葉の数々です。

卓球の伊藤美誠選手をはじめ、
多くの選手からは「楽しみたい」という言葉が出てきました。
おそらく1964年の東京オリンピックでは聞かれなかった言葉と思います。

そこには楽しむことによってプレッシャーから解き放たれ、
いいパフォーマンスができるという考えがあります。

一方で、柔道の大野将平選手は「楽しむ場ではない」とキッパリ。

「楽しんでいる場合ではない。畳に立ったときにそんなことを考えるのは、無駄でしかない。」
「ぼくはメンタルについて考えるとき、『覚悟』という言葉をよく使います。それは攻撃的に、強気に戦いたいと思うから。柔道は格闘技、殺し合いをするくらいの気持ちで戦わなきゃ勝てません。そうした覚悟が、試合が近づくにつれて自然と固まっていくわけです」

「楽しみたい」
「楽しんでいる場合じゃない」

「結果」という側面から考えたとき、どっちのメンタリティーが正しいの?
そう思われた方もいるかもしれません。

ここで筆者が申し上げたいのは、
「楽しむのがいい」「楽しむことはいけない」ということでありません。

「どういうメンタリティーだと、『自分は』最もパフォーマンスを発揮できるのか?」
という絶え間ない「自己対話」だと考えます。

実は、大野選手も「楽しむ」というメンタリティーで臨んだ大会がありました。
しかし、結果準決勝で敗れた…という経験を通じて得た答えが、
「楽しんでいる場合ではない」「覚悟」という心の持ちようでした。

では「覚悟」という心の持ちようが万人にとっての正解なのか?
というと、そうでもありません。
大野選手だからこそフィットするメンタリティーです。

このように、経験を通じて自分を素直に見つめ、
時に他人からのフィードバックに耳を傾け、
そこから学びを得て、自分なりの最適解に近づいていく。
そんな作業を繰り返し実践してこそ、
「自分なりの答え」にたどり着くことができます。

食事・情報・行動習慣・他人など…、
何に触れると、自分の状態が良くなり、
何に触れると、自分の状態が悪くなるのか?

自分にとって良い考え方や習慣を増やし、
悪い考え方や習慣を減らしていくことで、
パフォーマンス(≒集中力)は発揮しやすくなります。

そのためにも、絶え間ない「自己対話」が欠かせません。
睡眠や食事一つとっても「これがいい」「あれがダメ」という、
相反するような情報が様々入ってくる時代はなおさらです。

情報が氾濫する時代だからこそ、
情報に吞み込まれて自分を見失わないためにも、
頼りになるのは「自分というフィルター」です。

そして、フィルターを常に正常な状態に保っておくのが、
日々の「自己対話」と「自己認識」の習慣です。
そうすることで、世の中と適度な間合いを保ち、自分を修正していくことにつながります。

女子1500mの田中希実選手の言葉を聞き、「自己認識力」の高さに驚かされました。
オリンピアンの言葉の数々から、「自己対話」「自己認識」の大切さを改めて学びました。

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