【第51号】”ギスギス職場”なワケは?

筆者、組織開発の一環として、研修講師を務めることがあります。
その多くは、コミュニケーションに関する研修です。

今、多くの組織において「人間関係」が問題になっています。
人が病む・人が育たない・人が辞める・人が来ない・人がやる気を出さない・人同士のトラブル…。
「人」に関する問題が、今、至るところで起きています。
さらには、「人」に関する問題が、組織を根底から揺るがすまでに発展することも。

今日は、その原因について、ひも解いていきたいと思います。

本来、組織における「人」は「協力し合って、目的に向かって成果を上げる」ために存在します。
そして、一人ひとりが役割と責任をまっとうし、時に協力し合うことで高い成果は得られます。
当然、誰しも最初から「プロ」ではなく、そういうステージにたどり着くにはそれ相応の年月がかかります。

一方で、組織では「最短の時間で最大の成果を上げる」ために、至るところで「効率化」が行われています。
ITツールなどはその最たるものです。

ビジネスが複雑化、かつ高難度化し、
顧客のニーズも多様化している世の中にあり、
組織運営もさらに難易度が上がります。

すると多くの人は、仕事だけでなく、
他人とのコミュニケーションも、もっと効率的に、手短に済ませようと考えます。
会話をする暇があったら、目の前にふりかかってくる仕事を効率的に捌く…という発想になります。

対話よりも指示・伝達。

口頭よりも一斉メール。
ましてや、人の話をじっくり聞いている暇なんてありません。

 

ですが、部下育成などの人材育成は“効率的に”という具合にはいきません。
必ず「面倒」が伴います。
新人は未熟ですし、ミスもします。時に尻拭いをすることも。

だから、「面倒を見る」必要があるわけですが、
常に効率化を迫られ、心に余裕のない状態だと、
非効率で面倒なことは避ける傾向にあります。

「指示通りに動いてくれない部下の面倒なんて見たくない」と思うのが上司の本音。
「一方的に仕事を押し付けてくる上司とはなるべく関わりたくない」と思うのが部下の本音だったりします。

その結果として人間関係が崩壊し、
ハラスメント・メンタル不調・離職など、さらなる面倒ごとが発生しています。

効率化が進んでいる現代社会だからこそ、
人間関係は丁寧に大切に育んでいくこが、
長い目で見れば「効率」も「効果」も高くなると筆者は感じます。

仕事は効率重視。
でも、人間関係には効率は持ち込まない。
部下育成には即効性は求めず、長い目で。

一人ひとりがそのような心構えを持ってくれれば、
組織は好転していくと確信しています。

関連記事

TOP