【帰ってきた「えいき通信」第16号】プレゼン

「栄木さん、高校生向けに『プレゼン講習』を実施してくれないか」

前々職のお客様から約7年ぶりの連絡。
まずは筆者のことを覚えてくれていたことに感謝。

しかし、プレゼンのプロでも、プレゼンの理論を学んだわけでもない。
ましてや「プレゼン講習」なんて今までやったことがない。

一方、2021年は結果として1年の半分近くを企業の研修講師として務めさせてもらった。
また、以前あるお客様から「栄木さんは口(くち)から生まれてきたんだよ」と言われたことがある。
当時は「失礼な!」と思ったが、今は「ほめ言葉」と捉えている。
自分自身「素人の延長」だと思っているが、周囲が筆者のことを「プロ」と認めてくれているようだ。

すべての経験を「良い機会」と捉える性分。
「せっかくだから、今までなんとなく感覚でやってきた自身のプレゼンを棚卸し、自己成長の機会にしよう」と思った。

プレゼンで大切なことは、シンプルに「3つ」と思っている。

1つ目は、「心の底から伝えたいことがあるか?」
「情熱」や「想い」とでも言い換えられるだろうか。
これは絶対に外せないポイントだ。
知識を伝える授業と異なり、プレゼンの目的は「相手(の心)を動かすこと」にある。
だから、そもそもの「想い」がないと相手に届きようがない。

しかし、「想い」だけでは相手に届かないものだ。
人には誰しも想いや価値観がある。
一方的に熱く伝えても、それは単なる想いや価値観押し付けでしかない。
人は「説得」だけでは動かない。

じゃあ、どうしたらいいいか?

ここで2つ目のポイント。
それは「相手になってみる」ことだ。
「こんなことを言ったら相手はこう思うだろうな」という想像力だ。
例えば、「芸術は爆発だ!」と言っても、「みなさんピンときませんよね。自分もそうです。」と言った具合に伝える。
その上で、自分が伝えたいことを、たとえ話や客観的根拠を交えて話す。

その中でも、特に「初めての人や知らない人の気持ちになってみる」ことは大切にしている。
議論や話についていけず、「置いてけぼり感」を味わったことは数知れず…。
だから、「聞き手にそういう思いはさせたくない」という気持ちはある。
その原体験がプレゼンにも生きている。

しかし、これで十分とは言えない。

最後、3つ目に来るのが、「言葉えらび力(ボキャブラリー)」だ。
言いたいことがとっさに口をついて出てくるかは、「言葉えらび力」による。
これは普段から「アウトプット」を積み重ねることで身に着くと思っている。
筆者がこうしてコラムを書いているのも一種のアウトプットだ。
その際、好き勝手思うがまま書くのではなく、読み手の心情になって試行錯誤で書いている。
だから、言葉のチョイスにも気を遣うし、言葉の意味を改めて調べたりもする。

ただ、自分の感覚だけだと、どうしても独りよがりになりかねないので、第三者の意見をもらいながら適宜修正を加えている。
(ということで、妻に目を通してもらうことが多いのだが、筆者の意に反して誤字脱字ばかり指摘してくる。)

ちなみに、「パワポ(PPT)」などの技術は3つのポイントには含まれないと思っている。
どんなにパワポが優れていても、プレゼンターにそもそもの想い・相手視点・言葉えらび力がなかったらやっぱり伝わらない。
ただスライドを追っかけるだけになってしまう。
だから、相手に伝わらないし、心も動かせない。

その逆も真なりだ。

ということで、先日、初めて高校生相手にプレゼンをしてきた。(普段は大人相手です)
しかし、1/4くらいは睡眠モード。反応がイマイチだった…。
しかもちょっと「早口」だったようだ。

そっか、自分には「高校生の視点」が抜け落ちていたな。
筆者も高校生の頃は、プレゼンの「プ」の字も考えてなかった。
こうして、改めでプレゼンの難しさと奥行きを学ばせてもらうのであった。(完)

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